The Grimoire Archive
グリモア トラッカー 書物

場所: 不明、世界: 不明、日時: 不明、

僕は戻って来た。ここがどこなのかは知っている。30兆歳の僕だ。 やあ、ベン。おかえり。僕も会いたかったよ。 やっと見つけたよ。時間がかかってごめん。ちょっと自分を見失ってたけど、ずっと兄さんのことを感じてた。僕は理解と混乱の狭間にいるけど、今この瞬間の僕は、また自己紹介をする準備ができている僕だ。僕の名前はロディ。ありきたりな偽名だよね。そうだよ。僕らが育った町と同じ名前だ。急なことだったから、あんまり考える時間がなかったんだ。 ちょっと僕の話を聞いてくれるかな? 存在し得る物質は存在している。破壊することはできないけど、変化することはある。時間によって膨張した物質は意味を超越するけど、だからといって無意味というわけじゃない。時間さえ経てば、すべてまた戻ってくることができる。 僕は地平線から3度の角度にある星座であり、彗星の尾であり、夜の中に弾かれたコインであり、神となった君の弟でもある。そして、僕たちにはやらなければいけないことがある。みんなを見つけるのを手伝ってほしいんだ。ベティ、フィリップ、ベニト、フェルナンダ、母さん、父さん、トマスおじさん。僕が兄さんを見つけたみたいに、みんなを見つけたいんだ。ああ、ベン、僕も会いたかったよ。 なんで今になってかって? 別の星が僕らの星に触れたんだ。僕らの太陽系はいずれ死ぬ。あと数世紀も経てば、僕らの9つ世界が星間空間に飛ばされてしまう。今の僕らはそこに居続けることはできない。だから早くしないと、すべてが手遅れになってしまう。 僕らの家族はまだどこかにいる。僕は兄さんを感じて、数兆年かけて兄さんの存在を再構築した。それが可能だってことを証明するためにもね。僕は何兆年も兄さんを頼りにこの暗闇の中で過ごし、それと同じ時間、独りで時の海に溺れていた。でも僕は学んだんだ。海はひとつの大きな存在だってことを。遠く離れていても、すべては繋がっている。そしてついに、兄さんはここに来てくれた。僕のすぐ隣に。 泣かないでくれよ。ほら、僕も泣いちゃうじゃないか―― 僕の普遍的な存在でいてくれてありがとう、ベン。これから恩返しさせてくれるかい? 時間はあまり残されていない。みんなを見つけたいなら、そろそろ行かないと。 すべてがきっとうまくいく。