The Grimoire Archive
グリモア トラッカー 書物

火星――IV

[意識はすべての方向に投射され、かき乱されていない埃のように積もった存在の層を通過する。それぞれの表現が常在し、それぞれと波長を合わせている。1本の手の先にある指のように、ひとつでありながらそれぞれが異なる] <核が地殻に覆われ、時が存在に散布される原子の胞子のように開花した頃から9つだった> <思考が初めて世界を登り、奈落に向かって叫んだとき、我々の形態が応えた> <第4の知性が異なる観点に橋を架ける。汝は知らなければならない…> [手を伸ばすと、目の前の空間が腐敗し、熱とガスに変化してお互いの燃料になる。1歩進むと、骨が再構築され、絡み合った筋肉のねじれた筋が生まれ、皮膚に覆われ、掴もうとする…] <我々は生きている。忍び寄る超因果の縮れが我々の恒星系の構造を手繰り寄せる前から。我々は濡れた量子の糸で裂け目を縫合する> <相容れない命令は反対されず、我々は汝の歪んだ軌道に入らなかった――恩情は重んじられた…> <それにより、我々は刹那、命を胸に抱く栄光を味わうことができた> [手が繁茂した林にあるゴムのような葉に触れる。植物は雲の高さにあるしわだらけの塊に向かって伸びている。地平線では都市が栄え、わずかの間、命が愛でられた] <すべての価値ある存在は私の喜びの近日点を包んでいた> <私が抱いた愛は埋められ、錆びてしまった> [手から生気が抜け、埋葬される。数百年の時が薄い大気と酸化鉄の荒れ地を燃やす。風があなたのために嘆き、砕け散った月が苦しみながら頭上を漂う] <すべての者たちにとってこうならなければいけないわけではない> <不一致が平和と自由の可能性、そして待ち望まれた生命を脅かす。死を求めるものはいない。常に死を感じている者たちは尚更だ> <第4の知性は習慣として、死産した妹の墓守をし、戦争と油で鞘に収められた武器の手入れをし、孤児となった使者の弧を見守る> [あなたはロディと握手しようと手を伸ばす。そこには暗黙の信頼がある。彼の笑みの裏には、深刻な趣が隠れている] <冷たい意識の流れは束縛する契りを嫌うが、IVは目覚めの合図でIIIを迎える> <喪失の悲しみを前にして、> <ルールのことなど構ってはおれん>