最初の賭け
ずっと昔、自分に約束した…
もし人々が助けを必要としていて、俺に何かできるなら、俺は手を差し伸べるってな。今もそうしてる。
もしそれでほうびや感謝の念をもらえるなら、なお結構。でももし俺が何かを盗んだり隠したりしても、それは人助けのためだ。このことを知っている奴は少ないが構わない。別に自慢するためにやってるんじゃないからな。
正直言って、俺はバンガードにはなりたくなかった。そのことに価値を見出せなかったからじゃなくて、俺よりもバンガードの価値観にふさわしい連中がいるからだ。それにこんな仕事ができるのは、俺を含めてほんの一握りだけだ。みんなやってみようともしない。だから…俺だからできたせいだってことさ。
俺が行った場所や、俺が見た揉め事や、そういうものが…まあいい。当時は俺とシロウとアンダルとお仲間達で、最強のタイタンさえ夢に見たこともないような、一見あくどいけど実は「正しい」ことを色々やっていた。
俺達は道を切り開き、物資を回収した。まあ回収だけじゃなくて…盗んだり、くすねたり、だましとったり、かっぱらったり、隠れていたものを見つけたり、略奪したこともあったが。全部が全部俺達の手柄じゃないが、シティの外の世界は、俺達のおかげで格段に広がった。
まあ俺はそんなにシティの外には出ないけど、それはこれから変えていこうと思っている。
ザヴァラは気に食わないだろうな。イコラは俺を説得してやめさせようとするだろう、いつものように。でも俺達は「光」がどれほど貴重で…どれほどはかないものかよく知っている。だから使えるうちに使わなきゃならない。
正しきを行い正しくあれ、境界線を広げろ、自分達のものを取り戻せ…
そいつが俺の最初の賭けだった…初日から、全部まとめて賭けたんだ。自分自身にな。
暗黒の時代の厳しさを俺は目の当たりにした。話は聞いたことがあるだろ。もしなければちょっと調べてみな。でも驚いておしっこ漏らすなよ。発展と没落を繰り返し、そのたびに強くなるシティを俺は見てきた。自分達の一番いいところも、一番悪いところも…そして「いいところ」をもっとよくして、「悪いところ」を昔話にするためだったら、俺はこれからもずっと戦い続ける。
俺はおしゃべりで自慢屋で、剣も銃も抜くのが速い。そして何かを見つけたり、勝ち取ったり、倒したり、救ったり、安全な場所に隠すことにかけては、俺より上手い奴はほぼいない。だが結局は…
今の俺があるのは、過去の俺があったからだ。
俺はそのことを自分自身から学んだ…そう思いたい。「俺になる前の俺」が残したメモに、お膳立てをしてもらったと。あの暗闇の時代において、「5」はこう考えた。「6」だとダメなんじゃないかって…それで結局「7」になったって訳だ。つまり過去の「俺」は、その後の「俺」がもっと成長できるように、計画表を書き残してくれたんだ。
とにかく、どんな手札が配られたとしても、ベットとコールがかかったときは、俺は袖の中にエースとクイーンを隠していた。
つまり俺が負ける訳がなかった。
いつだってより優れたほうが勝つのさ。