回復記憶、ノックス4
5月19日/5:00AM
今日もまた、2082ボランティスの探索。いつもどおりだ。
ポータルのある鏡の回廊に入るたびにこうだ。防衛プロトコルが実施され、ポータルが起動される。我々はそこから現れるベックスを排除する、そしてブレイ博士が部隊を率いて資源の回収と探索を行なう。
今回は私が先頭でなければいいのだが。前線は基本的にすぐにやられてしまう。
「ノックス、今日はあなたが先導して」と彼女が言った。
予想どおりだ。「分かった、ブレイ博士」
ポータルが起動している。次にすべきことは――
「ブレイ博士、問題が発生した」とルイス博士が割って入った。
最高だ。今度は一体何があった。
「続けて」とブレイ博士が答えた。
「ノエ2の調査により、ポータルの向こう側の監視装置に重大なエラーがあることが分かった。全てのセンサーがオフラインになっている。あれがないとポータルから何が出てくるか分からない」
「このエラーは今までにもあった?」
「…いや」
ブレイ博士が動きを止めた。そして言った。「ポータルを閉じましょう」
「承認が必要だ」
「私が承認する」
「彼の承認が必要だ」
疑い深いクロビスは彼女に大きな裁量を与えていなかった。それが彼女をイラつかせていた。
「よく聞いて、エステバン。クロビスは現在、昏睡状態で人口呼吸器を付けてる。あと24時間ももちそうにない。だから悪いけど、今すぐ私がその判断を――」
*大きな機械音*
今のは何だ? ポータル内からだ。全員がそこを注視していた。何かが来る!
*大きな爆発音*
「ミノタウロスだ! 全員撃て!」とブレイ博士が叫んだ。彼女に迷いはない。
ミノタウロスが姿を現した。我々は攻撃を行なった。全く歯が立たない。どうやら彼女ですらなすすべがないようだ。
「ロケット!」と他のエクソが叫んだ。
ブレイ博士は必死に戦っている。我々全員が必死に戦っている。ミノタウロスは非常に獰猛だ。しかも仲間もいる。
「ゴブリンが現れたぞ!」と誰かが大声で言った。
ゴブリンたちが流れ込んでくる。止まりそうにない。私は撃ち続けた。これは異常だ。あまりにも多すぎる。
「来るぞ!」とルイス博士が叫んだ。
これは一体何だ?! ベックスのハイドラに似ているが… それよりも遙かに巨大で、シールドに覆われている。このままだと全て破壊される。エクソの破片が我々に降り注いできた。
敵が波のように押し寄せる。終わりが見えない。私は全ての弾を撃ち尽した、だがそれでも不十分だった。
「ルイス――シャットダウンして、今すぐ!」とブレイ博士が叫んだ。
彼は何もしなかった。既にズタズタの死体となっていた。ブレイ博士は彼の姿を確認した。
「今すぐ逃げて! 行って、早く!」と彼女が叫ぶと、彼女を含む数人が走り、どうにか脱出に成功した。
私も逃げた。できるだけ遠くまで。だが意味がなかった。奴らは既に私の真後ろにいた。腕を引き裂かれ、床に引き倒された。ここまでだ。私はノックス5として復活することになるだろう。だがもしそうならなかったら? その時は…
私は目を閉じた。女性が私に微笑みかけている。ピエロギを作っているところのようだ。恐らく私の母親だ。早くピエロギを食べたい。
やはり我が家はいいものだ。