噂
例のオシリスというウォーロックの予言についてはあまり詳しくは知らない。でも、彼の理論によって、タワー、市民、そしてガーディアンには分断が生まれた。オシリスが急進的な研究を続けるためにこの地を離れた後も、思いもよらない場所でその分断は起こり続けた。
これに関する面白いジョークがあるの。
1人のオシリスの信奉者と、1人の懐疑論者がお互いを説得するために同じテーブルについた。そして彼らはそこで死んだ。
どこで耳にしたのかは聞かないで。でも、シティの住人がガーディアンを茶化すことなんてないって思っているのなら、あなたの注意力が足りてない証拠ね。
まあそれは置いておきましょう。
オシリスの信奉者の1人、修道士バンスの噂話を耳にしたの。まるで神話みたいな噂で、その中では彼がオシリスの発見した知識を利用して奇跡を起こすとか、ガーディアンを復活させてその潜在能力を最大限にまで引き出すとか。でもある時急にその噂話の内容が突然変わったの。バンスはオシリスとは全く面識のないただの狂信者で、水星の砂漠で来るはずのない何かを永遠に待ち続けているんだとか。
ガーディアンは行動力の塊だから、そういう消極的な姿勢が理解できないのかもしれない。
私は、自分たちの目の前にあるものや人々のことを信じるべきだと思ってる。これまでどんな伝説を生み出してきたかではなくて、今まさに何をやっているかが自身の内面を証明する。英雄の帰還を永遠に待ち続けながら、同じ本と手紙に繰り返し目を通して、自分ではコントロールできない未来に期待するようなことは… 私からすれば単なる時間の無駄に思える。
だから私は進んで行動を起こすようにしている。常に手を動かして、常に頭を働かせている。
とはいえ、憧れている存在に見捨てられるのは、間違いなく孤独で落胆も大きいはず。たとえそれが、自分の心の中で起こっただけのことだとしてもね。バンスのような男ならきっと1人でも夜通し見張り続ける。もしかしたら、彼は自分の噂話についても知っているのかもしれない。それでも彼は折れずに、ますます孤独になる。
ただ、私は彼に会ったことがない。どの噂が真実で、どの噂が馬鹿げた悪口なのか判断がつかない。私に言えるのは、暁旦は誰でも歓迎するということだけ。誰よりも孤独を感じている者ならなおさら。