The Grimoire Archive
グリモア トラッカー 書物

孤立

やめてくれ。 ――なぜだ?―― こんなことはしたくない。追体験などごめんだ。 ――大抵の者は、最高の瞬間を再び味わうためなら命も惜しまないだろう―― …最高の瞬間とは、勝利で終わるものだ。大量殺戮ではない。いずれにせよ、もう終わったことだ。 ――終わり? いや、違う。それはもっとずっと先だ。お前はまだ本当の栄光を味わう準備ができていない。変性という概念にまだ馴染みがないかもしれないが、お前は確かに今それを体験している。かつてお前は小さな箱の中を自由に動き回っていたが、外へ飛んでいくための羽を持っていなかった。そこで、小さな幼虫だったお前は繭に包まれ、羽を生やした。あとは繭を自分で断ち切るだけだ。だが、そのためには自分を弱体化させたものを後に残し、自分を強くするものだけを保たねばならない―― しかし、私の世界は… (砕け散った) ――ここに再構築された。お前のために―― (再び造られた。私の周りに) ――あらゆる緻密な細部―― (一対の太陽。深淵。支配者。ルブレイ) ――あらゆる辛い記憶―― (私の一族。私の家族。一族の父、クロア。一族の母、キーサ。姉妹、キータ。母、ヴルヒュナ。父、レリク。彼らの亡骸は今、私の手の中にある) ――彼らへの愛がお前を弱くした。彼らに対する力がお前を強くした。振り返ってみれば、お前は後悔でいっぱいだ。自分が支配者の呪縛にかかっていると信じている。彼らの在任中に自分が取った行動は間違いだと信じている。だが愛しいルラクよ、道徳とは主観的なものだ。ルブレイの唯一の生き残りとなった今、お前がルールを定めれば良いではないか? 誇りを持って自分の人生を振り返る時ではないのか? 結局のところ、お前の行動が我々を引き合わせたのだ。そして、お前が繭から出るのを助けてやれるのは我々しかいない―― 我々…? あなたは一体? ――我々はお前の救済だ。お前の審判だ。そしてじきに… お前の目撃者となる――