The Grimoire Archive
グリモア トラッカー 書物

保全

エリクスニーの中には、暗黒は物質的なものではなく、襲い来る荒波でも対抗すべき悪なる存在でもない、という考えを持つ者もいる。そんな彼らにとっての暗黒は、己の利益になることをし、残りは捨て去らなければならないという衝動だ。私もこの衝動を知っている。私も長い間この観念に囚われていたのだ。 人類、少なくともガーディアンは、その暗黒と戦場で戦うことができ、武器として扱うことができると考えている。そしてそこから生まれた力は彼らが間違っているとは言わないだろう。 私はそのように暗黒に呼びかけたいとは思わない。だが、最近私は暗黒に含まれているものの感覚を知るようになってしまった。もはや防ぎようのないことだ。今となっては、私は暗黒を懸濁液か、コロイドのようなものだと思っている。それは川の流れに沿って固体を運ぶ。液体のように流動的なそれは、抽出するのが難しく… 暗黒には由来しない要素が含まれている。 オシリスをうつし世へ連れ帰るために再びネザレクのレリックを回収した時、何かが私に付着した。今でもその何かを外骨格の下で感じる気がする。固体を運びながら流動するその液体を。 悪夢から目覚めると、その感覚が待っていたかのように私の中で膨らんでいく。 最近では、人間は暗黒が物質的なものではなく、連結し、流動する精神の力であると考えているようだ。それは本質的に悪しき残酷なものではないと。だがもしそれが本当に人々の狭間で回転し、思想や感情が触れあったときに弦のような音を立てるものなのであれば、流動しながら本質以外の要素も宿していくのは当然のことだ。 それを行使し、己を捧げた人々を考えれば、我々の悪の衝動を囁く声であると考えられるのも無理はない。私も、その声が昔よりはっきりと聞こえるようになった。 敵がライフルを持っているなら、それを奪おうとするのは当然だ。だが、敵の手が銃床を離さなかったらどうする? 他者の意識がその引き金を引くことを望んだとしたら? そして、自分自身が引き金を引くことを求めたのだと思い込まされてしまったら? 私もいずれ己の一部を暗黒に捧げることになるのか? どの部分だ? 誠実な部分ではないだろうな。 私はエイドにもっと良いものを残してやりたい。 ――部分的に復旧されたハウス・オブ・ライトのケル、ミスラークスの上書きされた個人ログより