保護
[VanNetの暗号化ルーターより報告]
何が言いたいかは分かりきっている。敵はトラベラーの保護が我々の足かせになっていて、そのせいで力が制限されていると考えている。予想どおりだ。我々の敵は暴力とその高潔さだけを理解している。
[ハイヴの革にイオの石で刻まれた私信]
保護を弱さに繋げるのはありきたりな当てこすりだ。大いなる敵としては些か期待外れだ。月への最初の侵入者を倒した時、私は黄金時代の司令官の日誌を見つけた。クアン・スアンには信念があり、鍛え上げられていた。それでも彼女は暗黒に取り込まれた。この狡猾な力によって、彼女は神に背を向けたというのか?
料理のやり方を勉強をしている。月でホットプレートをサルベージした。調理台に真空溶接されていたから、外すのに手間取った。(手を痛めたが軽傷だ。)
アシェル、真空溶接がどういうものか知ったらきっと驚くぞ。ボイドの中で2枚の金属板に圧力を加える。すると金属板の微粒子は自分がどちらに属しているのか分からなくなる。そしてその間を自由に行き来する。そうして2つが1つになる。
私は突然現れたピラミッドの隣で眠っている。ここはピラミッドの影にすっかり覆われている。トラベラーの下にあるタワーに戻ったら、私が敵に真空溶接されていることに気づくだろうか?
イコラなら気付くはずだ。リスクがあるにも関わらず、彼女は私と宿られた兵の研究をしていた。そしてザヴァラは慎重だ。それでも彼は、ライサンダーやトーランド、レジル・アジールのような者が新たに誕生するのを恐れている。彼は私がガーディアンに真実を伝えることを恐れている。ガーディアンたちが大声で肯定を繰り返す中で、彼は唯一否定の意見を述べるのに飽き飽きしている。ただそれが彼の役割だし、そもそも自分を追い込むような仕事を好む性分だ。
[角度のついた荒々しい切り傷――]
私は恐れている。もし気を抜くようなことがあれば、私はこれまでに手に入れた安寧と信用と希望、それら全てを失う。私に代わって戦っている大切な友人をも破滅させかねない。
[空白]
中華鍋を作らないと。古い探査機のディスクローターにアングルグラインダーを使ってみよう。調理用油も必要だ。明日にまた古いクレートを漁ってみるか。
今夜は炒飯を作る。米とレーズンは持っている。レシピには「パイナップル」と書いてあるが、これは冗談か? パインの風味のアップル? パンノキで代用しよう。あればの話だが。