The Grimoire Archive
グリモア トラッカー 書物

IV: 血の競技

以下に続く… ズルマックは彼らが一斉に襲ってくるのを知っている。 既に万全の態勢だ。 手に握る剣が軽く感じる――剣さえも自分の意志の一部のようだ。 力を加えずともその刃は鋭く切り裂き、身に余る計画を企てた愚者の軟弱な骨を貫く。アコライトは肉と髄は真っ二つになり、身体が砕け落ちると分厚いダストの煙となった。 それと同時に、さらに多くの刃がズルマックへと向かう。 攻撃は受けることはあっても、怯むことは絶対にない。 突進してくるナイトの首を掴み、剣先をその首に突き刺し肩の方まで深く切り裂く。荒くれ者の緑色の目は輝きを失い、身体が空の器となる。ズルマックは死んだ者の首をさらに強く締め付け、攻撃を防ぐための肉の盾として死体を掲げる。 万力のように手を握ると、死んだナイトの身体が地面へと落下する。背骨は強く握ったまま、先ほどまで生きていた頭は、今は武器と化した。ズルマックが新たに手に入った鈍器が、別の刺客の頭蓋骨を打ち付け、まさに骨と骨がぶつかり合う戦いとなった。どちらの頭蓋骨もかち割られ、また新たな敵が倒された。 ズルマックの背中に剣が突き刺され、背骨と肋骨を貫いた。 上記のとおり… ハシュルドーンは心底がっかりしていた。 既に殺戮には飽き飽きしていた。 剣と血の魔術に相応しい者は誰もいない。 ズルマックは確かに強い。だが、クロタほどではない。オリックスには及ばない。彼も失敗するだろう。 ベズリスが囁く。 姉妹たちはその場から立ち去ることを決めた。 高みの見物をしていた会合も立ち去り、紅のタワーは無人と化し、穴の中で起きている失望を最後まで見届ける者はいなかった。