第1章
タワーのバザーが賑わい始める中、エイドはため息をつき、クロウのゴーストの前にあるテーブルの上にデータパッドを置いた。
「グリント、ホール・ビトウィーンの調査を進めていると、つい考えてしまうの… 物語について。恐怖を喚起する物語。あなたは“怖い話”と言ってたわね」
「溺れしキャプテンの物語のことですか?」グリントが聞いた。
「そう。しばらく前に、父が頌歌は幼子のためにあるものだって言っていたの。でもホール・ビトウィーンとヘッドレスの調査を続ける中で、人は年齢や経歴に関わらず、恐怖の物語を楽しむものだということが分かった。たとえその物語に学術的な価値や信憑性がなくてもね。そこで私も人々に楽しんでもらえるような物語を書いてみたいと思ったの!」
「それは素晴らしい考えですね。まずは何について書くのですか?」
「まだ分からないの。何か… インスピレーションになるものが欲しくて」
「なるほど! そういうことなら、ぜひ手伝わせてください。怖い話についてまず知っておくべきことは、真実ほど怖いものはないということです!」