ゴーストと呼ばないでください
「名前が欲しいです」
「サギラのせいか?悪い影響を受けたな」
「彼女には名前があります。ただの『ゴースト』とは呼ばれません。『ゴースト』と呼ばれるのは屈辱的です。私は物ではありません。私です」
「じゃあ、いったい誰なんだ?」
「私は...わかりません。私は私です」
「それで、私に定義して欲しいと?それは物っぽい振る舞いだ」
「あなたは鼻持ちならない人です。その自覚はありますか?」
「思い出させるな」
「それが事実でないことはわかっているはずです」
「そうか?」
「また始まりましたね、タイラ。何もかもに疑問を持つ。世界中を記録を打ち立てるべきパズルのようにみなし、分析し、ファイルに収める」
「それ以外のことはできない。疑問を持たず、研究せず、学ばなかったら、なんの目的もない。『あらゆる精神にはそれぞれの形がある』」
「また哲学を読んでいましたね」
「ルソー。イコラに借りた」
「ふーむ」
「ゴースト、すねるな。イライラするから」
「ゴーストと呼ばれるのもそうです。まるでシーツを掛けられたみたいで」
「自分の名前を選べばいい。私に決めさせる必要はない」
「決めます!」
......
「さて?名前は決まった?ゴースト」
「ゴーストと呼ばないでください」