戦いの前日
部屋は暗かった。7人が同じ部屋に集まることはもうほぼないが、今日は死を乗り越えて宇宙を回した計画、今までにない大きな旅の前日だ。
7人ともトランスでつながり、古代人と同じやり方で会話をしている。言葉を発すると、ここに保管しているヘラルドの心に計画がばれてしまうことになる。ヘラルドは永遠の戦いで得た戦利品であるが、特定の者が使えば兵器にもなる。
「このままいけば、オリックスの餌食になるだろう」。セディアが沈黙を破り、避けられない運命を恐れた。
「大昔に誓いを立てたではないか。敗北すると分かっていても従うと」。ナスシアは恐れを嫌った。
「しかし、今回は勝てる相手ではない。あの時とは違う」。イリンは3人の両側を行ったり来たりした。彼女の首にかけられたお守りは、イリンが魔女の会の「母」であることを示している。イリンはあの世や女王だけが行ける場所を見ることができる。
「そう願うか」。カリはアミュレットの力を欲していたが、テクナ・ウィッチは欲しがらないように訓練されている。
「我らが女王がお待ちだ」。リシルが割って入った。時間がない。もうすぐ戦いが始まる。
「それでは決断しよう。ヘラルド。どれを準備する?」 シュロは最後まで突き進む覚悟をしていた。テクナ・ウィッチは興奮しないようにも訓練されている。
「全てを送ることはできない」。ポーシャが念を押した。
「1つ以外全て送り出せ。1番古いヘラルドだけは私達と共に。セディア、カリ、シュロ、子供達を連れて女王陛下のところへ行き、死した何かに植えて子を成させるというご報告をしろ」。イリンの目の奥に隠された計画。だが、テクナ・ウィッチは己の目を他人と共有することはしない。
「ドレッドノートに敵わなかった場合はどうする?」
イリンがその声の方を向いた。
「セディア、女王陛下の力を疑っているのか?」