The Grimoire Archive
グリモア トラッカー 書物

記録9: 僕を導いてくれ

うまくいかない。何もうまくいかないんだ。奴らは僕の言うことを聞こうとしない。ルームのサイオンは夢と妄想的な「個」という概念に囚われている。傲慢で自己中心的な連中だ。奴らは大義を目の前にして、それに貢献することの美しさに気付くことができないほど視野が狭い。僕が成そうとしていることには不適切な道具だ。奴らを使ってバンガードを破滅させることはできない。 VI、あなたの助けが必要だ。奴らにもその大義が見えるように僕に語りかけ、僕を通して語りかけてほしい。奴らの瞼を切り落として無理やり見せつけてやりたいが、そのためにはあなたの導きが必要だ。何か言ってくれ! 頼むから僕に語りかけてくれ! あなたの導管にならせてくれ! これがトラベラーの沈黙を前にしたガーディアンの気分なのか? 奴らも光の命を得た時に同じような苦痛を感じるのか? ガーディアンたちが苦しんでいるようには見えない。光によってその痛みから守られているのか? それとも与える力を制限しているせいで、力を最大限に引き出すことができないのか? 光の道に背いたガーディアンを意味する古い言葉がある。暗黒に関する書物に書かれていた。「ドレドゲン」奴らを追放した傲慢な者たちによってつけられた名前だ。僕もこの名前を使おうと思う。僕がその名前に、新しい意味を与える。 まだ変化していない体の部位の震えが止まらない。でもそれは、苦痛を伴う変化を恐れる、動物的な身構えに過ぎない。彼の理想の姿になったほうが、その力を扱いやすい。苦痛が僕を肉塊から美しいものに作り変えた。腐りゆくこの肉体を超越する意義を与えてくれたんだ。 ルームのサイオンたちが恐れているのは痛みだ。だが痛みなど些細なものだ。痛みを恐れる者は、ネズミやカエルと同じ獣だ。サイオンたちは太陽系最強の存在と自称しながら、僕の痛みを感じたとたんに縮み上がってしまう。あまりにも弱すぎる。奴らは痛みが意義へと導いてくれるということを受け入れようとしない。奴らにとって痛みとは、苦しむ神経の痙攣に過ぎないんだ。悟りが苦痛を伴うのは当然のことだろう! 奴らは何を期待していたんだ? 瞑想するだけで究極の力が手に入るとでも思っていたのか? 心を落ち着かせれば、自由が得られるとでも? お願いだ、VI。僕を導いてくれ。進むべき道を示してくれ。喜んで僕のドレドゲンになってくれる者たちを見つけたいんだ。あなたの力を授かるための苦痛に耐えられる者たちを遣わしてくれ。僕はあなたの器だ。でも、あなたがいないところであなたの力を使うほど、僕は衰弱していく。