The Grimoire Archive
グリモア トラッカー 書物

最後の生き残り

就任の議決が行われ、シュールは屋根が上空の星々と環に向いた石灰岩の神殿で、正式に別れを告げるために立ち上がった。祭司はシュールの両手を示し、彼の上に向けられた掌に黒い泥を塗った。 「我々は塵から生まれ、温もりを求めて肉に身を隠す」祭司が唄い、彼のむき出しになった胸に9つの環を描いた。 <私が先になろう> 「彼らの声が大きくなっている」シュールが聖女に微笑むと、それに応えるように彼女の触手が動いた。数多の月の木星人たちは、一族の者が神々に迎え入れられることに歓喜していた。 祭司は彼らの世界の上空に漂う惑星とその輪を示した。「錬金術師さまは未来を予見し、第3の世界から永遠の宿主を遣わされた」 <私はお前を見た>シュールの頭の中で錬金術師が言った。 「我らは命なき宿主に命を吹き込み、新たな体を木星に適した姿に作り替え、ナインは我らを完全な存在にした」祭司は愛おしそうに触手を小さく振った。 <お前は最初の者であり器であり我が監獄を抜け出すための道具だ> 「ナインは我らの息子、我らのシュールを選ばれた」 <私はお前を形作るためにお前の一族を形作った> 足が地面から離れ、シュールは恐怖を感じた。 <お前だけいればいい> 「何かがおかしい」シュールが叫んだ。彼は思考が歪むのを感じながら、群衆を見た。 <お前だけいればいい> シュールは人格の最後の断片を使い、神に乞うた。彼の塗られた眉は、一族の存続を嘆願していたが、その瞳は青く燃え上がり、手は無意識に掲げられた。そして、シュールの自由意志が焼き尽くされる中で、衛星タイタンの大気が錬金術師によって窒素に変えられた。