The Grimoire Archive
グリモア トラッカー 書物

ブラフ

俺は失うことが嫌いだ。だから必死に避ける。 変な話だが…ここでクイーンが登場する。もしお前がリーフのジョークを言おうとしているなら…あるいはあの魔女やその手下ども、その塞ぎ込んだきょうだいの話をしようとしているなら…やめてくれ。 俺の「クイーン」は「あの女王」じゃない。 俺のクイーンは、俺が愛するクイーンだ。 俺のクイーンは俺の心だ。 俺のクイーンは…説明が難しい。 彼女は俺の愛の思い出だ。俺は、彼女抜きでは愛が何なのか理解できない。 でも彼女はここにはいない。もうずっと前から。だから俺は、彼女のことを想像したときに生まれる感情にしがみついている。俺は…それで満足だ。 もちろん葛藤はある。 俺達は人生において多くを失う。どんな人生も、常に何かを失っている… でもこの人生…「最後の安全な街」における人生…「全ての終わり」とでも呼べそうなこの人生はどうなんだ? 勝ったときですら負けっぱなしのような気がするのはなぜだ? まあいい。今のは忘れてくれ。俺は敗北主義者にだけはならない。なぜなら俺は敗北させるほうだからだ。それが俺の仕事だと言う人もいる。数ある俺の仕事の中の1つだと。 そして俺は悲観主義とも無関係だ。嫌いなんだよ。俺はエネルギーに満ちた楽観主義者で、誰かをハグしたいだけだ。基本的にはな。いつもそうだとイライラするが、ほとんどの場合、俺はパーティーの中心人物だ。 この悲しみに満ちた「魂の吐露」とやらも、もう…11回目か? 10回目? これだけダラダラしゃべっても、お前はまだ俺のことが分からないんだろうな。でも実際、ここまでずっと俺に付き合ってくれてるなら、お前は俺よりずっと勇敢な魂の持ち主だ。 さて…何の話だっけ?ああ、そうだ… 楽観主義だったな。 身元不明のとある誰かの言うことを信じるなら、俺は根っからの楽観主義だ。だが…そうだな。ここにいる毎日が報酬でもあり、勝利でもある。そしてその恩恵を大事にし、楽しみ、慈しまなきゃならない。同時に、それを当然だと思ってもいけない。 そういえば、「当然」を「当選」って言い間違えるウォーロックの友達がいた。俺の知る限り最高に頭のいい奴だったが…そうじゃなかったのかもな。「当選」だってよ。政治家じゃあるまいし… おいケイド、話がまた脱線してるぞ… 素晴らしき毎日を大事にしろ。ただし忘れてはいけないのは… 人生は辛いってことだ。 友達が死んだり、兄弟が消えたり、そしてクイーンが… 大切な何かを失うと…みんなこう言うよな。「痛みや苦しみを受け入れろ」って。推進力にして景気よく前に進めって。 だが俺の魅力の中に、失ったものに希望を見出す能力は含まれていない。 でも、クイーンを失ったことに関しては、きっと前向きに進んでいる。彼女は特別な存在だった。本当にいい子だった。そうあるべきだったし、俺はそう信じている。馬鹿みたいに信じている。 失ったもの全てが俺を落ち込ませても、彼女のことを考えれば忘れられる。 それぐらい、彼女の影響力は強い。彼女が残した穴はとてつもなく大きく…全てを飲み込む。 嫌なものを全部飲み込んじまう。こうして喪失感と向き合うのは、正しいかどうか分からないが、とにかく俺はそうしている。そうやれば上手くいくんだ。心も晴れる。彼女のことを思うだけで… 俺は…幸せな気持ちに…なれる。 そして喪失感は消えていく。