勝者総取り
タニクスは悩みの種だった。
本当の問題は別にあることがあとで分かったが、そのとき「悩み事リスト」のトップにあるのは奴だった。
「本当の問題」は何かって? あいつは今も健在なんだ! ガーディアンでもないくせに、俺の知る限り、あいつは何回も死んでる。俺の手にかかって奴は2回「死んだ」。2回目は死亡保険でももらおうかと思ったぐらいだが、お仲間が死体を素早く持ち去ってしまったから、俺は奴の胸と…首と…腹と…そして頭にあれ以上銃弾をぶち込むことができなかった。
だが2回目のことはどうでもいい。どうでもいいとは言い過ぎだが、肝心なのは1回目に起こったことだ。
アンダルと俺は賭け…じゃなく「挑戦」することになり、その「挑戦」で…俺達はタニクスに復讐する気満々だった。運よく俺が先にタニクスを見つけた。そして運よく奴を殺した…と思った。
みんなそう思っていたんだ。
そのあとは宴会だった。オシリスまで姿を見せたぐらいだ。彼と預言者は、セイント-14にタニクスを追わせていたんだ。セイント-14はとんでもないタイタンだったが、俺達はハンターだ。獲物を横取りされるはずがない。
今考えると、横取りさせてやったほうがよかったが。
アンダルは約束を守り、バンガードに加わった。俺はやめるよう説得した。俺達の「挑戦」には、最初からケチがついていた…シロウと俺はボロボロだったし、ニアンはもういなかった。完全にイカれたラッシュからは、感情と体液があふれ出していた。アンダルは俺の説得を聞かなかった。俺も最初から説得できるとは思っていなかった。
「挑戦」は「挑戦」だ。取り決めを守らないなら、歴史に汚点を残すことになる。そしてアンダルには、ハンター達から疑問の目が向けられていただろう。俺からでさえな。俺はそのことを認めるつもりは絶対になかったが、あいつは感づいていた。
アンダルがバンガードに加わると、俺達の関係は奇妙なものになった。全部俺のせいだが、俺は以前の彼に戻って欲しかった。あんなに破天荒で、世界中を旅してきた奴が、役人達の間で小さくなっていた。でもその関係にも徐々に慣れた。兄弟はいつまでも兄弟に対して怒ったりはしないもんだ。
俺達の新しい関係も軌道に乗り、素晴らしき日々が始まり、素晴らしき時代が続いた…
ほんのしばらくの間は。