ショーダウン
名誉の話に戻ろう。アンダルの話に。
アンダルは俺の兄弟だった。もちろん例え話だが、でも一緒に生きて新たに「家族」になった奴のほうが、本当の…いや、やめておこう。アンダルは俺の兄弟だった。以上。
タニクスは腕が4本ある冷酷なガーディアン・ハンターだった。そして…
アンダルと俺は…賭けをした。ただ「賭け」という言葉はハンターとして正しくない。俺達がやったことにはもっと深い意味がある。
俺達は「挑戦」したんだ。
俺はあいつに、あいつは俺に「挑戦」した。
タニクスを殺すか、バンガードの職務に縛られるか。ハンターを狩って頂点に立つか、首輪をつけられるかのどっちかだ。これは俺達の名誉と約束がかかった問題だった。
「ハンターの挑戦」の起源は古過ぎてよく分からない。「最初の挑戦」に関しても色々な説があって、いつ誰がその「挑戦」に関わったのか、真実を知るのは不可能だ。
とにかく、その「最初の挑戦」でハンターが…
おっと、1つ言っておかないとな。まだ「ハンター」とか「タイタン」とか「ウォーロック」ではなく、蘇りし者という呼び名が使われていた頃の話だ。「選ばれし者」もまだ組織化されていなかったし、掟もなかった。ゴーストがどんなにわめこうが、誰も聞く耳を持たなかった時代だ。そんなときに、先駆者達が最初の火をつけた。そいつらは普通の人間というよりは、ただ権力に酔いしれた暴君だったのかもな。
「ウォーロード」の話が聞きたい? ハッ! 新たに生み出されたタフガイって感じだな。「光」の使い方すら知らない無知な連中さ。とにかく俺は好きじゃない。というか、あいつらを好きな奴なんているのか?
雑談が多い? まあまあ…
名誉を賭けた最初の挑戦は、後々「ハンター」と自称するようになった連中が関わっているんだろう。どんな「挑戦」だったんだろうな。「チューベルの谷でジャンプ」、「シェイドランナー短距離走」、「月明かりの決戦」、「クバ・スルの最後の抵抗」…あるいは「偉大なるゴミ集め」とか「ただのゴミ集め」だったのかもしれない。詳細は全く不明だ。俺も全然知らないからな。
でも最初が何だったのかは大した問題じゃない。先駆的という意味では、みんな同じだ。最初の「挑戦」が、その後の「挑戦」への道を作った。肝心なのは、誰かが「挑戦」を申し出て、その挑戦を受けたら、もう逃げられないってことだ。「挑戦」が体に染みて、体内に入り込むからな。ウォーロックが言うような抽象的なごまかしじゃなく、やっぱり名誉の問題だ。
「挑戦」を受けることは、何かを誓うことと一緒なんだ。
そんな風にしてアンダルと俺は、「挑戦」を受けて「挑戦」に縛りつけられた。そのときは、俺の根深い傲慢さなんか忘れていた。
俺の傲慢はいつも、何かが崩壊するときのきっかけなんだ…