The Grimoire Archive
グリモア トラッカー 書物

オシリス I

//記録: M-003-OSI// ガーディアン、もしこのメッセージを読んでいるなら、 お前は新たに習得した知識によって再び危険な立場に立たされており、導きを求めているはずだ。 これから言うことは、お前になら共感してもらえるだろう。私は現実の無限性の研究に人生を捧げてきた。他のガーディアンよりも桁違いに長く生きているが、その大半を普通の人とは異なる時間世界で過ごしてきた。しかしサギラを失った今、ただの人間となった私に残された時間は限りなく少ない。大きな砂時計がサラサラと時を刻んでいる。上部にあったはずの大量の砂はスピー  ディーに下へと流れ落ち、今や最後の一粒が残るばかり。洞察力、発見、評判など、私の価値は全て過去に根ざしたものだ。これ以上何かを成し遂げる時間はない。少なくとも、人類の生存のために残されたわずかな猶予では… この宇宙に、私と同じ深さから時間を見てきた存在はほとんどいない。その視点を理解できる知性を持った存在はさらに稀だ。だからこそ、私は悪魔と契約を結んだ。 私は自ら進んでサバスンに服従し、バンガードにおける自分の立場を彼女に与えたのだ。 バンガードはあまりにも長い間、追い詰められた獲物のごとく、脅威に怯  え震えながら戦ってきた。彼らは秘密を溜め込む。知り得た事実は全て銃身に詰め込まれ、新たな標的の心臓を狙って放たれる。個々の戦いで辛勝しているとはいえ、我々はこの戦争に負けそうになっている。我々のわずかな資源にサバスンがもたらしうる損害は、このような機会の重要性を思えば大したことはない。ウィッチ・クイーンの玉座には10億年以上にわたって蓄積された秘密が詰まっている。その量は凄ま  じい。彼女がシティの崩壊しつつある廃墟にこもっている間、かの名高き回廊に一人残された私は彼女が見てきた全てを学んでいる。 ザヴァラとイコラは大切な友人だ。それに崇高な魂の持ち主でもある。だが、危険を冒そうとする傾向が強い。目先の問題があればすぐに解決することを望む。それに、その慈悲深さゆえ、犠牲… 特にガーディアンの寿命と比較すればすでに死んだも同然の男を犠牲にすることで得られるものにも気が付かない。彼らは私を止めようとするだろう。だからこそ、お前にだけ伝えることにしたのだ。この秘密を守り、この予期せぬ味方と共に人類を守ってほしい。 私の犠牲を無駄にしないでくれ。 ――オシリス