The Grimoire Archive
グリモア トラッカー 書物

ザヴァラ I

//記録: Y-003-ZAV// X線レーザーを照射すると、その  エフェクトで船体から陽子が引き剥がされる。その際、原子の定義が変更され、もはや存在することができなくなった個々の分子が爆発を起こすことがある。しかし、秘密主義がもたらす危害に比べれば、その被害など取るに足らない。忍びを得意とするハンターは標的に気づかれないように行動することを好み、ストラテ  ジー_を重視するウォーロックは巧詐や策略を好むかもしれないが、まっとうなタイタンであれば誰からも見える形で仕事をするものだ。しかし、イコラのためなら私は自分の信条を曲げても構わない。彼女の過ちとそれを取り巻く疑問は、すでにあまりにも公になってしまった。だからこそ、気は進まないが、私はこうしてお前に秘密裏に声をかけることにしたのだ。 悲しいことに、お前にこの話をもちかけているのはイコラに関して心配なことがあるからだ。旧友のことはよく理解しているつもりだ。イコラは自分の過ちを誰よりも重く受け止めている。サバスンに光を奪われた事実が彼女を押しつぶしてしまうかもしれない。彼女の決意にひびが入っているのが分かる。 地球のニーズや動向をしっかりと反映するには、バンガードに3人のリーダーが必要だ。現在の軌道を修正するために、お前の力を貸してほしい。イコラの顔に泥を塗らないためにも、その地位から降ろすことはしない。しかし、彼女は自責の念に駆られるあまり我を失っており、この街の安全を守れる状態ではない。イコラに任せられなくなるようなことがあれば、彼女に代わって仕事ができるスパイ組織のリーダーが必要だ。その点、お前ならすでに彼女の仕事内容をよく知っているし、機密  デー#タの取り扱いも任せられる。いずれはイコラも、過度の負担から逃れて自由になることを歓迎するだろう。事態が落ち着けば、お前の立場をより正式なものにしよう。だがそうなる前でも、私はお前の決断を尊重し、お前がどんな変化を起こすにしてもそれが必要なことなら支持するつもりだ。 簡単な話でないのは百も承知だ。だが、敵の秘密を暴き、私の大切な友人の命を救ってほしい。 ――ザヴァラ司令官