The Grimoire Archive
グリモア トラッカー 書物

トーランド I

//記録: D-002-TOL// 変わった通信技術だが、欠点がある。思考、音素、符号、デジタル信号の順で変換されるが、それぞれの変換で得られるものは入力よりも少なくなる。思考の錬金術だ。慎重に読んでくれ、ガーディアン。これらの変換の過程で多くの  データが失われている。最後に残った無水の知恵だけで喉の渇きを満たさねばならないのだ。 叫びの海に漂う因果な漂流物、サバスンの玉座の世界。俺には、その海岸をがむしゃらに攻撃するお前の姿が見える。蛍が大火を灯すように、お前のボ  ディーは水面を叩き嵐を巻き起こす。それでも、お前は止めない。なぜ止めないのか? 恐怖に満ちた頑固さは、ガーディアンをかき乱す。お前は光と暗黒で己を鍛えて折れない刃となった。そんな断固たる執着を持っているにもかかわらず、お前には本当の意味での天才的な意志が欠けている。 ガーディアン、お前はトラベラーに膝を折る。そしてお前は負けるしかない。なぜなら、サバスンはより強大な支配者に跪くからだ。トラベラーがひれ伏すのと同じ支配者… 「生存」に。それこそ彼らが共有する秘密であり、その秘密は合金化に必要な純粋な試薬のように彼らを強くする。彼らはきょうだいであり、同じ価電子を持っている。 光と暗黒が混じり合い、味方が生まれたのだ。 それなのに、ガーディアンであるお前は自分が慣れ親しんだ紛争の塩水ばかりを渇望し、器から溢れ出る甘く新鮮な水の流れを無視している。 サバスンはこの宇宙の救済者となるだろう。お前の救済者ともなるかもしれない。その体に深く染みついた古い忠誠を捨てさえすれば。 ――トーランド