天国か地獄
「私は自身の形成期に、1つの目標を持っていた。それは私の——まあ、それを表現する言葉は色々あるだろうが——選ばれし者を見つけることだった。それ以来私は、彼の意思とは関係なく、彼を生き長らえさせることに専念することになった。それは最後の都市以前の、非常に不安定な時代だった。当時の人類の未来には、希望などなかった。目的を果たすためなら、手段を選ぶつもりはなかった。まさに死にものぐるいだった」—暗黒時代のゴースト
彼は夜気の中、目を開くと、ゆっくりと息を吸った。どれだけ眠っていたのか、定かではなかった。しかし、すぐにその本能に従うように——
「走りなさい」
彼は凍り付いた。明らかに自分の声ではなかった。
「とにかく走るんです」
男は夕明かりの下、立ち上がった。自分の姿を確かめてみると、正装させられていることに気づいた。彼自身の葬式のためだ。彼は笑わなかった。だが内心では面白いと感じていた。声は続けて言った。「私の声が聞こえますか? この地の覇権を巡って蘇りし者が戦いを始めました。このままここにいるわけにはいきません」
その時になって初めて、小さなドローンが近くで音を立てていることに気づいた。中央にある目は、まるで青い太陽のように燃えていた。その炎が左に傾くと、遠くにある光を指し示した。「西に向かってください。そこに私の仲間がいます。彼らが力になってくれるはずです」
男はドローンを見つめ、顔をしかめると、反対方向に走り出した。
「え? ちょっと!」彼の背中に向かって声が叫んだ。男は背の高い雑草をかき分けながら暗闇の中に逃げ込んだ。彼の耳に届いたのは、自身の息づかいと、足下の雑草を踏みつける音だけだった。彼は自分の足の速さに驚いた。はるか後方から、声がまた彼を呼んだ。
大きな駆動音と共に、右手の背の高い雑草の中から突如として機械が飛び出し、覆い被さるかのようにその巨体が彼を押しつぶした。
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彼は夜気の中、目を開き、ゆっくりと息を吸った。
「あなたは死にました」ドローンは彼の上を飛びながら言った。ドローンは黒く粘り気のある薄い膜に覆われていた。「あなたを連れ戻してきました」
彼は立ち上がると、自分の姿を確かめた。同じ服だ。痛みはない。彼を殺したその大きな機械の残骸は、数メートル先にある暗いすすだらけのクレーターの中で塊になって沈黙していた。
外気に晒されてくすぶっているコックピットの上には、アーマーを身につけた男が大の字になって横になっていた。そのヘルメットには小さな穴が空いていた。穴の大きさはちょうど… ドローンと同じぐらいだった。
「話を聞く気になりましたか? 仲間のところまで案内させてください」と、それは言った。「ここには、この男のような連中が山ほどいます。あなたのように蘇りし者に導かれたのです。あなたには知るべきことがたくさんあります」
「お前は何者だ?」男は初めて言葉を発した。
「私はあなたのゴーストです。あなたをサポートするのが私の役目です」と、ドローンは答えた。
「俺に協力するということか?」
「ある意味では、そのとおりです」
「この死後の世界で?」
「ある意味では」ドローンはそう告げると、再び西の光に向かってうなずいた。「準備はできていますか?」
「向こうへは行かない」男は反対方向に向かった。
ドローンの目の前で、彼は背の高い雑草を踏み潰しながら姿を消した。空を埋め尽くしている巨大な汚らしいオーブを見つめると、ドローンはモジュール・アーマーの軌道パターンを微調整した。
ドローンは急いで彼の後を追った。