ネッスス – 7
「これでキングです!」フェールセーフの後列にデジタルのコマを動かすと、グリントはそう叫んだ。
正面に表示されたホログラムのチェッカーボードが、突如爆発してデジタルキューブの雨となった。エクソダスブラックの客室に湿っぽい暗闇が充満する。
「おっと」AIが言った。「間違えてボードを倒してしまいました。まったく、私としたことが」
「さて…」グリントはもじもじと出口の方へにじり寄った。「私もそろそろガーディアンのところへ戻らないと。あなたの隣人に会いにいくのでね!」
「そうですか! では、今度来た時には奴らの正体を教えてあげましょう」AIはずる賢そうに言った。
「でも、彼らの素性は知らないと言っていませんでしたか?」とグリントが言い返す。
「あなたは奴らの素性ではなく、なぜ私に会いに来ないのかと尋ねました。質問内容が違います!」とフェールセーフは言った。
「とにかく、また来てください」AIが話を続ける。「人間の潜在意識からヘッドレスの概念を抜き取ったハイヴの死霊術師について詳しく教えましょう」
「…戻って来ないと教えてもらえない、ということですね?」
「そうです」とフェールセーフは得意げに言った。「そういうのを“見返り”と言うのでしょう?」