英雄不在
都市の壁の向こう側は、1ミリの隙も無く危険地帯だ。安全の保証はない。その死にかけの——一部もう死んでる——世界のどこをとってさえ、入り組んだ岸辺を一歩歩くよりはまだマシだ。
人の手で整備されてないってだけじゃない、無法者の縄張りなんだ。悪党の中の悪党たちが、大金を見つけるとか、「商売」のためとか、あとは大罪犯して逃げてくるとか、そんな理由でやってくる。
岸辺の岩場を渡って、無事に帰ってこれた奴はいないよ。通るだけでいくつか法を破らなきゃならない。良心が痛むって?捨てとけ、まともな心なんか。まともな事をしようとするだけで、命が終わるような場所なんだ。じゃなきゃ器用になれ、まともな事を、まともじゃない方法でやり遂げられるぐらい。
とにかく、堂々と歩け。ここに住み着いてるような奴らは、弱気な一般人なんかすぐに見抜く。道を譲るな——背中を向けたら、後ろからグシャっといかれるだけだ。それから、銃の狙いは正確に。ミス1つが命取りだ。以上、無理そうなら帰れ。
岸辺はな、英雄どのが来るような場所じゃないんだよ、いろんな意味で。