第9章
「この本は私たちの研究内容をまとめたものよ」レアが言った。彼女は本を台座の書見台の上にそっと置いた。「私の師匠は…」彼女の声はかすれていた。「師匠はいつだって書類を見つけやすいようにまとめておくようにと言っていたわ… 綺麗好きだったから」
「俺の姉ちゃんもそうだった」キャッシュが視線を落として言う。
ニリスクとメリーは顔を見合わせた。メリーが1本の腕でニリスクを抱きしめる。
「私たちのお兄ちゃんも大いなる機械の中に入っていったの…」メリーが言った。
「僕が行くべきだったのに」ニリスクが囁いた。
グリントは彼らが抱えている悲しみに心を痛めた。彼らはまだこんなに若いのに。
「僕も兄ちゃんと一緒に行くはずだったんだ」とニリスク。「でも、僕は臆病で、逃げたんだ。そんな僕を見る兄さんの目には… 失望じゃなくて理解があった。でもそれがなぜかもっと辛いんだ。僕も兄さんみたいに、大いなる機械のために命を犠牲にすべきだったんだ」
ニリスクがカボチャを蹴ると、頭は彼らが床に描いた円の外に転がった。その顔は暗く、彼らを嘲笑っているかのようだった。