The Grimoire Archive
グリモア トラッカー 書物

手ぶらの帰還

相手はサバスンかもしれんが、ゴーストである私は貴様ら間抜けどもよりもいくらかは光に詳しいはずだ。私の意見が聞きたいんだろう? 人類がその時戦ってる相手が「悪」なんだってことはもうわかった。感心していないといえば嘘になるが、こっち側からすればあんまり愉快じゃないってことはわかるだろう。「ハイヴが暗黒を使ってるから暗黒は悪だ」ってのはもう時代遅れなんだ。当時はそれでもよかったかもしれないが、今度は「ハイヴが光を使ってるから光は悪だ」とはならないだろう? 当然だ。 とりあえず、善と悪は一旦忘れろ。 ハイヴの話をしよう。私のハイヴ。トラベラーの正しい選択に可能性を与えることを選んだ、私を含むゴーストの一団。虫はいなくなり、光のみが残った。光はそこにあるものを照らす。そしてハイヴはどうなった? 奴らは光に蘇った瞬間に全員頑丈な個性を花開かせたわけじゃない。そして、プラクシック機関の馬鹿どもが妄想しているように、光はハイヴの暗黒を焼きつくしたりはしなかった。奴らはハイヴのままだった。 結局のところ、選択が重要なんだ。 誰にだって選択肢はある。どんな時でもな。どこで何をしていようが。別の道が受け入れられないからって、選択肢がないことにはならない。ハイヴは虫の支配下でも選択肢があった。まあ、自ら最後の死を選ぶ奴なんてなかなかいないがな。 要するに、トラベラーにも選択肢があったってことだ。トラベラーは人類にしたように、ハイヴを蘇らせた。逃げることができたのに、逃げなかったんだ。 それはリスペクトできる。貴様らと対立していても、私はトラベラーの意志を引き継いでいる。 そしてルーセントハイヴはどうすることを選んだ? 私からは言わないぞ。だが、それが何であろうと、貴様らの単純な二分法とは全く別の話だ。善であろうが悪であろうが、自分で決めなければいけないんだ。 私やトラベラーが決めたようにな。