The Grimoire Archive
グリモア トラッカー 書物

カコスミア

[VanNetの暗号化ルーターより報告] [A-マハル//リンク: C-龍] [メールアーカイブ//0071292//抜粋] …火のない所に煙は立たぬ、といったところか。前兆はそれに続くものがなければ現れないものだ。人が歩かなければ、足音は立たない。 では、最近暗黒を道徳的に中立な力として受け入れようとする動きはどこからくるものなのか? 大崩壊、そしてハイヴとその暗黒との戦いは偽旗作戦だったとでも言うつもりか? ではなぜ、今の今まで人類の敵は一度たりとも光を使っていなかったのだ? 不可能… ではない。 不本意ではあるが認めよう。陰謀などは微塵も信じていないが、今まで人類の敵となったほとんどの勢力が、たまたまトラベラーに対立し、黄金時代を終局させて人類を蹂躙した力に加担していたという可能性がゼロであるとは言い切れない。 サバスンは狡猾と欺瞞に長けている。私たちは光を与えられたと言い張る奴の言葉を鵜呑みにするのか? だがもし本当に暗黒が光と同じくらい安全であり、敵は暗黒を外套のように纏っていただけだとしても、私たちはガーディアンに手を伸ばすよう促すべきだろうか? 目撃者が潜んでいる意識的な力に? 私からしてみれば、これほど危ない橋はない。 私は、暗黒を倒すためには暗黒を理解しなければならないと考えたことは一度もない。現に、暗黒を知った私たちは、前よりも疑問が増えただけだ。目的の明確さが必要なこんな時に、不確実性が生まれた。 私たちはオシリスが追放された理由を忘れたのか? 彼はベックスに執着するあまり、道徳を捨てて善と悪で世界を判断する愚かさを説き、ベックスがもたらすであろう運命よりも暗黒を選ぶ覚悟を決めていた。当時はあまりに危険な視点だとされたため、彼はシティから追放された。しかし彼はさらなる疑念を引き連れて戻ってきたのだ。 私は暗黒と戦い続ける。それが最重要だ。平和がもたらされた時には、人類の敵の打倒を優先するように教義を見直すことができるかもしれない。 だが今はその時ではない。