日の出と日没 / 流浪者の物語 名残 彼は部屋に足を踏み入れることができずにいた。中に入らなければ、何も変わっていないのと同じだ。中に入らなければ、その変化を受け入れずにすむ。永遠にエリスの元にたどり着くことはできないが、少なくとも彼女はそこに居続ける。彼女が守りながらもほとんど訪れることのなかったシティにある、半分見捨てられた彼女の部屋に。 愚か者の考え方だ。だが、彼は愚か者だった。だから彼は切望しながら、あと少しだけ残り続けるのだった。 Next 荒野