エイドの報告(19)
「その時期になると、子供たちはそこら中を走り回っていたそうだ」とクリプトアーキ・マツオが説明してくれた。「そして市民に、食べ物を与えなければ所有物を損壊させるぞと脅したらしい」
「だから参加者は、皆こぞって正体を隠そうとしていたのね」エイドはそう思案し、しかし納得がいかず、こう続けた。「でも、その無法の精神と死者との交信にどんな繋がりが?」
マツオはその問いに肩をすくめる。「『ホール・ビトウィーン』というのは、破戒を祝う行事だったのかもしれないな。人々が仮装をして、普段の自分とは異なる行動をするわけだ」
「おとなしい幼子が野盗のようにふるまい…」エイドが答えを返す。「…死者が生者と話をしに戻ってくるのもその一環、と」
「そのとおり」クリプトアーキはそう言って頷いた。「そして頭の無い者には、代わりになる物を一時的に与えられた、ということだな」