I.II: 傷ついた血と折れた骨
アクラズールの無力な怒り
「相応しい者がいない」
「彼らの力は剣と血の魔術が求める血と苦しみによって呼び起こされる」
「全ての者と同様に、自らの価値を示すには苦難を乗り越えなければならないが、彼らはそれを恐れている」
「私は尋問者と呼ばれるような権利や称号を持ち合わせてはいない」
「それでもハッキリと、彼らの野望の禍々しさは分かる」
「彼らは名誉や高潔を語る」
「一切身に付けていないのにだ」
「力を渇望し、真実は求めない」
「進化を求めるが、その価値や意味を理解しない」
「ただ欲しいから、欲しがる――預言で警告されてきた異端の『救世主』だ」
「深淵より這い出て、我々の喪失や、かつてないほど残忍な敵との戦いの中で弱っている者たちにたかる存在だ」
「姉さん、あなたが選んだ道は、伝統に挑む以上の道のりになるのではないかと恐れている」
「肉と骨に刻まれた知識、そして知の範疇を超越した、長い時に渡って形成された本質に挑もうとしている」
「己の利得のために血と剣の魔術を無にしようとしている」
「なんという裏切りだ」
「既に多くが同じことを試みた」
「そして誰もが罪を犯したことで裁かれた」
「なのに、かつての王の欲望に満ちた子供たちを見ると、臆病者しかいない」
「欲望が――我々の終焉を招く」
「儚い統治の名残りだ」
「このような終わりは認められない」
「甘やかされてきた後継ぎや英雄に焦がれる絶望に満ちた大衆は忘却へと導く。戦いが決着し戦争に敗れた今なってようやく勇気を見出し… 我々の滅亡が始まる」