手帳、1966年
サンプルは4秒以内に劣化。
引きずり込まれたときに生きていたとしても、数分以上生き延びられるとは思わない。局長もこんなことくらいはわかっているはずだ。遺体だけでも回収したいのだろうか。
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ユメイがなぜいつも会計部にいるのかわかった気がする。奇妙な物質は名前の通り、奇妙極まりない物質だ。この物質を生成するには多大な費用を要する上に、長期保存が困難なため、生成したところで活用できない。今の我々には、観察に必要な量をガラス板の上にかき集めるので精一杯だ。部品を検査することならできるが、スーツそのものにありつくには、ユメイの後ろで順番を待つしかない。
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コンウェイが食堂で自慢していた。情報公開部から、彼のチームが出した特許の公開許可が降りたらしい。彼らがスーツを逆行分析して得た特許は今年だけで4つだ。
検査用に物質のサンプルをくれないか聞いてみた。まあ、せがんだようなものだ。彼も今頃笑っているかもしれないが、そんなことはどうでもいい。
プライドがいくらあっても結果は生まれない。
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今日は試験を実施せず、代わりに追悼式に参加した。局長の悼辞では、彼らの人生や功績、そして同胞を見捨てないことの大切さが語られた。その話をしたとき、彼がこちらを見たような気がした。言われなくてもわかってる。
式には見覚えのない人たちも参加していた。我々の同僚ではなかった。そして式が終わるや否や、彼らは局長のところに向かった。
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アルサウスの机がもぬけの殻になっていた。ちょっと聞いて回ったら、国防高等研究計画局の連中に引き抜かれたことがわかった。彼らのスーツから開発した弾道モデルを基に武器を製造するらしい。
廊下で見慣れない顔とすれ違うことが日に日に増えていく。
省以外でも行方不明者が出ている。こうなることは前から予想していた。局長は我々が深淵に手を伸ばせば、同胞たちが反対側からその手を掴もうとしてくると信じている。だが彼のように、前向きな考えを持つ者は少ない。
パーネル博士に説明されなくてもわかる。そういう面では進歩しているとも言える。そんなことより、早くこの[不適切な表現を編集]スーツの研究を進めたいものだ。
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サンプルは9秒で劣化。進捗がこのペースなら、相手が友好的であったとしても、我々は自己紹介すらできずに死ぬだろう。
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今日、中央ロビーでちょっとした騒ぎがあった。黒のスーツを着た長身の紳士が厳粛に何かを語っていた。セキュリティが彼を追い出そうとしたところ、局長がそれを阻止した。
今回の一件で、デイヴィス家が訴訟を起こしたことは、半径10部屋の人たちに知れ渡った。法務部も冷や汗をかいていることだろう。
デイヴィス氏の去り際に、局長はこう言った。「必ず彼らを連れ戻します」
遺体ではなく、生きたまま連れ帰る。局長のことを知らない者なら彼を笑っただろうが、彼は本気だ。
今は新しい計算を実行している。我々は必ず彼らを救い出す。